むしばの大きさについて
身の周りで歯医者に通ってるという人がいたら、「あぁ、むしばがあるんだなー」と思うのではないでしょうか?
実際には、むしばの治療だけではなく、歯周病や顎関節症、矯正、ホワイトニングなど幅広い治療が行われています。
全部について言及してしまうと膨大な量になってしまうので、今回はむしばについて話していきたいと思います。
学校の検診で歯を1本ずつ見られて、斜線だとか、Cだとか、CRだとか先生が言っているのを聞いたことがありませんか?暗号みたいで何を言っているのかよくわかりませんよね。
むしばになっている歯については、Cで表現されます。これは、むしばを表す英語 Caries の頭文字のCです。そのままですね(笑)
そして、このむしばにも段階があるのですが、それを説明するにはまず歯の構造について概要を説明しなければなりません。
口の中を見てみましょう。歯が見えますね。この見えている部分は、歯の頭の部分です。頭の部分ということは、根っこの部分があるということなのですが、健常な人の歯では骨に埋まっていてみることができません。
頭の部分の一番外の層はエナメル質と呼ばれていて、とても硬いです。内側に象牙質と呼ばれる層が存在しますが、この部分は比較的柔らかいといえます。その中に歯の神経が入っています。歯髄と呼ばれるものです。
エナメル質には神経が通っていないので、削ったりしても痛みはありません。象牙質は管状の構造の中に液状成分が入っていて、それが動くことで痛みを感じるといわれています。歯髄は神経なので言わずもがな、触れたりすると痛いです。
歯医者さんで歯を削られて痛いと感じた時は、エナメル質を越えて象牙質に達している、場合によっては歯髄に達している時と言えるでしょう。
さて、むしばの大きさについてですが、水平方向と垂直方向での分類が可能と言えるでしょう。我々は歯の面をブロック分けしています。サイコロの底辺以外に名前がついていると思っていただくと分かりやすいでしょうか?前、後、外、内、てっぺんといった具合です。どの面にまでむしばが拡がっているかで水平的な記録を取っています。
次に、垂直的に考えるということはどの程度深いところまでむしばが達しているか、ということになります。
Co:要観察。むしばになる一歩手前といったところでしょうか。
C1:エナメル質に限局したむしば。
C2:象牙質に達したむしば。
C3:歯髄に達したむしば。
C4:歯の頭の部分が失われ、根っこの部分だけになってしまった状態。
こんな感じです。
最後に、むしばは進行を遅らせることはできても、治療しない限り自然治癒することはあり得ません。厚生労働省の統計では、むしばになる人の割合は年々減少しているとさ。れていますが、まだまだむしばをみない日はありません。痛い思いをしないためにも、しっかり歯磨きをしていきましょう!そして、痛いと思ったらそれ以上悪くなる前に最寄りの歯医者を受診しましょう。理想的なのは、定期的に検診を受けることではあるんですけどね。