チーズはどこへ消えた?
チーズはどこへ消えた?という本をご存知でしょうか。
アップルやベンツなどの世界を代表する企業でも研修テキストに使用されています。
自己啓発本やビジネス書を読もうと思って調べたらヒットした、書店で見かけた、などタイトルを耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
それでは、読んでみたことがある人は?
薄い本なので読んでみてください、と言うのは簡単です。実際に読んだことがある人も少なくはないはず。
今回はざっとあらすじを紹介させていただくのと、感じたことを書いていこうと思います。
登場人物は二人の小人と二匹のネズミ。彼らは迷路に住んでいて、チーズを食べて生活しています。チーズ以外の食べ物はなく、どこにあるのかも分からないという設定です。チーズは現実世界で我々が求める様々なものの象徴、迷路はそれを追い求める環境を指します。そして、彼らはそれぞれが違った個性を持っています。
大量の、しかも美味しいチーズを見つけた彼らはその場所を訪れることがルーティーンになります。しかし、ある日そのチーズは全てなくなってしまいます。
ネズミはすぐに新しいチーズを求めて行動を起こします。小人はずっと悩んだまま過去に縛られて動けない者、悩みつつも現状を変えるために行動を起こす者、に分かれます。
行動を起こしたものはチーズを見つけることができ、考え方にも変化が現れました。
こんなお話です。一応ハッピーエンドという形でしょうかね。
自分がどのタイプに当てはまるのか、どうならなければならないのか、は議題に上がりやすいのではないでしょうか。
私はちょっと変わったものの見方をしてしまいました。本は読者に伝える場であり、それによって設定や結末は変わります。
チーズはどこへ消えた?では、物事に変化が起きた時には順応して行動を起こさなければならない、ということを伝えたいんだと思います。
しかし、行動を起こしたものがチーズを見つけられず、元の場所に誰かがチーズを運んできた物語だったとしたら、周りの変化に流されず我慢することって大事だよね、ということが伝えたいことになります。
矛盾するかもしれませんが、ケースバイケースでどちらも大切なことですよね。
また、設定上チーズを探していますが、チーズに変わる何かを見つけられるのなら。これは、一つの物事に執着すべきではないということが伝えたいということになります。
ネズミだけチーズにたどり着けたのであれば、すぐに行動すべきということになります。
このように、作者が伝えたいメッセージが強ければ強いほど、その登場人物は設定上有利になり得ます。裏を返せば、設定上有利にみえるキャラクターにはメッセージ性があると考えても良いかもしれません。
チーズはどこへ消えた?の内容をワンフレーズで表すならば、変化の重要性とそのマインド、といったところでしょうか。
もちろんこれは重要なことですし、簡単に読めるという点を考えても、読んでみてはいかがかな?と思う1冊でした。
自己啓発本やビジネス書の入門としては良いと思いますが、ある程度その分野の本を読んでいる人にとっては物足りないかもしれません。