ある歯医者の頭の中

歯医者として、経営・資産運用する者として、食を愛するものとして、学んだことや考えていることをアウトプットします。

ザ・ゴール

ザ・ゴール、つまりは目標です。

本書もビジネスの入門書として読みやすいものではないでしょうか。

久しく本を読んでいない、という人にも嬉しい、なんとコミック版も売り出されています。

内容としては

・企業の目標は儲けること

・生産性の追求

全体最適の制約理論(ボトルネック

ざっくりとお話しするとこんな感じです。

 

日本ではお金持ちや稼いでる人が叩かれることも少なくありません。

思考方法がそもそも大衆離れしているからなのか、尊大になってしまう傾向があるから嫌われるのか、稼いでいない人からの嫉妬なのか、色んな要素が考えられますね。

お金を稼ぐって悪いことでしょうか?自己中心的にそれだけを追い求めたり、悪事を働けば勿論悪いことになります。でも、お金を稼ぐこと自体に良し悪しはないはず。有職者は皆お金を稼いでいますし、より多くもらえるのであればそれに越したことはないと思っているはずです。企業であっても同じことが言えるでしょう。稼ぐことを目標にすることはなんら問題ありません。

ブレない目標を立ててそれに向かう、そのマインドを持つといった話でしょうが、当然といえば当然の内容です。

 

生産性やボトルネックに関しては、工場で働いたことがないのでなんともいえませんが、理にかなった内容だったと思います。

目標をはっきりとさせた上でその達成度から生産性を測る。また、最も低いものに全体が規程されてしまう。

高校の生物では植物の光合成に関する問題で、限定要因という言葉があったのを思い出しました。

実際、工場に限らず飲食店などでも同様の考え方ができます。料理を作るところなのか、はたまたオーダーを受けるところなのか。最近ではタッチパネルで注文するタイプの店も増えてきましたが、これはボトルネックを解消するための施策と言えるでしょう。アイドリングタイムをうまく活用できるといいのですが、生産性は向上したのでしょうか。

こういった店が増えてくると必ず逆方向に力を入れる企業が出てきます。あえて人が対応することでおもてなしの精神を表現する、など。そういったブランディングは有効である反面、システムや教育の体制を作るのに大きなコストがかかるでしょう。

 

さて、考えさせられる内容が多く書かれている本書を何故入門書として評価したのか。それは、内容の大半が日本の自動車メーカーであるトヨタのモデルと被ることにあります。

日本を代表する世界的な大企業。ならば、他にも多くの本が書店に並んでいます。なので、分かりやすい、とっつきやすい、という意味ではかなりの良書でしょうが、ある程度学んだ人からすると基本的なもので物足りなく感じるのではないかと思いました。